課題研究

各研究会が担当する課題研究の概要を掲載します。

 ■教育資料研究会

テーマ:NextGIGAに対応した実践的な教育資料の開発と活用

【コーディネータ】
成瀬喜則(富山大学)、齋藤陽子(岐阜女子大学)

【趣旨】
 NEXT GIGA時代に適応した教育資料の活用方法については、多角的な観点から議論する必要がある。特に、デジタル教材のあり方、主体的な学びを支援する学習環境の設計、学びを深めるための協働的な教育資料の活用に関しては、多様な学習を支援する上で重要な研究テーマになるため、本研究会ではさらに議論を深めたい。
 ICT端末や学習支援環境に関する話題にとどまらず、学びの質を高め、教育の質を向上させる教育資料全般の研究と開発をテーマとして、具体的な教育実践や学習評価に関する多様な研究を広く募集する。

 ■ 特別支援教育AT研究会

テーマ:NextGIGAにおける特別支援教育の在り方

【コーディネータ】
小川修史(兵庫教育大学)、新谷洋介(金沢星稜大学)

【趣旨】
 児童生徒一人ひとりの特性に応じた教育を展開するという特別支援教育の方向性についてはNEXT GIGAのフェーズに移っても変わりはないが、こうした教育を実現するための選択肢は今後ますます多様化かつ複雑化することが予想される。そのため、障害のある児童生徒を対象とした教育実践や研究中心の観点に加え、校務支援や学校外連携を含めたシステム構築の視点は欠かせない。そこで,本課題研究ではNEXT GIGAにおける教育実践や教材教具の開発,校務支援や学校外連携といったシステム構築など特別支援教育に関する幅広い研究テーマを募集し、多様な視点からNEXT GIGAにおける特別支援教育の在り方について考えたい。

 ■ プログラミング教育研究会

テーマ:NextGIGAにおけるプログラミング教育の在り方

【コーディネータ】
小熊良一(群馬大学)、山本 利一(埼玉大学)

【趣旨】
  2020年からのGIGAスクール構想により、学校教育におけるICT活用が重要になってきている。NEXT GIGAでは、端末の更新とともにICTを用いた探究型の教育を充実させていくことがポイントとなっている。プログラミング教育研究会では、今まで各種発達段階におけるプログラミング教育の実践事例を収集すると共に、プログラミング教育の効果を科学的に立証する研究提案を進めてきた。本会ではログラミング教育の基礎研究や教育現場での実践研究を広く募集し、NEXT GIGAにおけるプログラミング教育の在り方について考えていきたい。

 ■ 教育技術研究会

テーマ:Next GIGAにおける教育技術の活用

【コーディネータ】
佐藤典子(甲子園大学)、治京玉記(大阪人間科学大学)

【趣旨】
 2019年に「GIGAスクール実現推進本部」が設置され、「GIGAスクール構想」実現に向けてさまざまな取り組みが行われてきた。グローバル化が進む現代社会において、1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育環境が実現されつつある。しかし、課題がある事も指摘されている事から、課題の解消を図るためにはどのような事が必要か、教育技術に注目し討議していきたい。さらにはNext GIGAに向けて教育現場はどのように変革していくべきなのか考える際には、学校における授業技術・教材開発の工夫が必要と言える。教育方法学・教育心理学など関連の学問からの示唆も踏まえ、学際的な教育研究により得られた知見を基盤に、実践と理論の融合を目指す。Next GIGAに向けて、学校での学びがどのような考え方のもと、どのようなものになるべきか、教育技術について議論を深めたい。

 ■ グローバル教育研究会

テーマ:NEXT GIGA における教育・研究のグローバル化の新たな可能性―近未来社会を見据えたグローバル人材育成と生成AIの活用の可能性―

【コーディネータ】
清水義彦(富山県立大学)、陳那森(関西国際大学)

【趣旨】
 グローバル教育研究会(旧:国際交流研究会)は、
1. グローバル人材育成および教育手法の研究、
2. 日本国内における留学生教育や海外からの人材育成、
3. 日本教育情報学会における海外との学術交流やその推進に伴う諸課題の解決策の検討
 を進めている。国際共同プロジェクトを視野に入れ、国内外の教育機関、研究機関、企業との連携を重視するとともに、各分野の専門家が協働して課題に取り組むためのプラットフォーム構築を目指している。今回は、NEXT GIGA における国内外のグローバル人材育成の研究、教育実践、連携の在り方を多角的に検討する。ひとり一人の若者に適した効果的な学びの環境を提供し、未来のグローバルリーダーや専門家に必要なスキル・知識・マインドが獲得できる環境整備、手段を模索する。例年通り、海外からの発表も可能なオンライン開催を予定しており、時空を超えた活発な議論を通して、持続可能な国際交流と教育革新の実現を目指す。

 ■ ICT活用研究会

 テーマ:NEXT GIGAにおけるICT活用の課題と取り組み

【コーディネータ】
河野敏行(岡山理科大学)、鍋谷正尉(渋谷区立千駄ヶ谷小学校)

【趣旨】
 ICTを最大限に活用し,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた取り組みについて議論する.そのために,以下のテーマを中心の議論・開発を行い,教育者の意識と技術を高めていく。

  1. 全ての学習者に向けた教育サポートシステムおよび教材の開発
  2. 1人1台時代の学習を支える学校や授業の在り方についての研究
  3. ICTの活用促進のための具体的な学習環境や教材の開発
  4. プログラミング思考力,創造的能力,AIリテラシーを養う教育や授業の開発
  5. ライフスキル(非認知能力)を育てるPBLやSTEAM教育を活かしたカリキュラムの開発
  6. 主体的に生きる学習者のためのデジタルシティズンシップ教育
  7. 生涯を通して学び続けるためのICT活用
  8. 時間と空間を超えた遠隔講義システムを利用した教育の開発および活用

 ■ IR研究会

テーマ:IRによる教育情報活用

【コーディネータ】
白鳥成彦(東京都市大学)、今井匠太朗(東京科学大学)

【趣旨】
 デジタル化が進む中、教育データの活用は大学の戦略的な意思決定や教育改善において重要性を増しています。本研究会では、教育における情報の利活用に着目し、IR(Institutional Research)の視点からその可能性を探ります。大学が蓄積する多様なデータを統合・分析し、学習支援、カリキュラム改善、経営戦略の立案にどのように活かせるかを議論します。データ統合基盤の構築やLearning Analyticsの活用事例を交えながら、今後の大学IRの在り方について広く考察し、新たな展望を探る場とします。

 ■ 「AIと教育」研究会

テーマ:NextGIGAと AIの普及によって教育はどう変わるのか

【コーディネータ】
加納寛子(山形大学)、福田 美誉(関西国際大学)

【趣旨】
 教育・研究における AI の適切な使用方法についての研究は、AI 技術の急速な発展と教育界でのその応用の拡大に伴い、重要性を増しています。本課題研究では、AI を教育現場で効果的に利用するための指導方法に焦点を当てます。特に、倫理的検証と教育学的設計プロセスにおける人間中心のアプローチの必要性を探求し、発達段階に応じた教育的アプローチを検討します。また、学生の批判的思考能力の育成、AI 技術の理解と応用能力の向上、そして AI に関するリテラシー教育の推進などについても検討します。研究会としては、教育者・学習者を含めたすべての人々が生成 AI を学習過程に適切に統合し、学生の学習成果を最大化するための実践的な日本型生成 AI ガイドラインの構築を含め、「AI と教育」の在り方について提言していくことを目指します。