ご挨拶

 

  第40回年会は8月24,25日の開催です。節目となる40回にあたり,この10年を振り返りつつ,次の10年を見据える機会としたいと考え,テーマを「AI/DX時代の教育情報学を考える ─「近未来」の学びの姿とその本質─」としました。AIやDXをキーワードとする新しい動向について検討するとともに,目先だけにとらわれずに教育の本質を追究することも忘れないようにしたいという想いを込めたものです。

  ChatGPTをはじめとする生成AIをめぐる展開は,これまでにないほど急激なものです。教育の世界においても大きな影響を及ぼしています。会員の皆さまも,生成AIをどう扱っていくかについて検討・対応に追われているのではないでしょうか。確かに文部科学省がガイドラインを策定するなど,国レベルでも取り組みは進められているところです。しかし,文部科学省のガイドラインも「暫定的」なものと位置づけられています。「暫定」ではなくなるころには,おそらく生成AIも次の段階へと進化しており,ガイドラインの改定が求められるかもしれません。ガイドラインは常に「暫定版」とならざるをえないともいえるでしょう。

  年会には,さまざまな専門分野を持ち,立場・視点も興味・関心も経験・知見もいろいろな研究者・実践者・関係者が集まります。多様性に基づいた議論から生まれるものにこそ,これからの時代を切り拓くヒントがあると信じたいと思います。教育情報学をめぐる研究発表に加え,基調講演,シンポジウム,懇親会を通して,さらには協賛企業による展示などによって,最新の動向・展望を把握・検討しつつ,教育の本質について議論・考察する機会となることを願っています。

  8月下旬の東京は残暑が厳しい頃かと思いますが,お越しいただく意義のある大会となるように努めたいと思います。大勢の皆さまのご参加をお待ちしています。暑さに負けない熱い議論が繰り広げられることを願っています。年会の運営にあたって,ご理解,ご協力をあらためてお願いする次第です。

第40回年会実行委員長 野末俊比古(青山学院大学)