課題研究

 ■教育資料研究会

テーマ: 個別最適化され,創造性を育む新たな学びの在り方

【コーディネータ】
成瀬喜則(富山大学),又吉斎(沖縄女子短期大学)

【要旨】
 これらからの教育に求められる「個別最適化された学び」や「創造性を育む学び」を実現するために,これからの「学び」はどのような在り方が重要になってくるのか。このことについて,これまでの教育資料研究会で追究してきた「新たな学び」の在り方を深化させるべく,皆様と研究発表を通して討議する。特に,教育資料,つまりは,学びに必要な学習者のための資料の在り方や学びから得られた情報(学習歴・成果・課題等)をどのように次の学びへ活用するのか等の観点から,「新たな学び」の在り方を追究する。
 なお,学びの対象は,幼児から大人まで幅広くとらえ,各々の段階に応じた「新たな学びの在り方」を考えていく機会にできれば考える。皆様方が行われている教育実践から,これらの「知」を得ることができればと願っている。

 ■国際交流研究会

テーマ: ニューノーマル時代における教育・研究のグローバル化の在り方を模索する

【コーディネータ】
陳 那森(関西国際大学),清水義彦(富山県立大学)

【要旨】
 国際交流研究会では,日本教育情報学会における海外との学術交流やグローバル人材育成の在り方等に関する研究活動を推進している。グローバル化は,コロナで衰退はしないが,国際社会はこれまでにないさまざまな変革を余儀なくされている。
 そこで,現況を踏まえ,今回の課題研究では,今年3月中旬に本研究会主催の「ニューノーマル時代における留学生教育の在り方について考える」と題したシンポジウムでの成果を踏まえつつ,それぞれの立場から話題提供をしてもらうと共に,ニューノーマル時代における教育と研究のグローバル化が抱える課題と解決策を模索する。
 また,今回の課題研究でも海外の研究者に自らの研究成果を発表する機会を提供すると共に,日本の研究者にも国際研究交流の立場で幅広い分野からの研究成果を発表する機会を設け,時空間を超えた国際研究交流も活発化していきたい。

 ■デジタルアーカイブ研究会

テーマ: オンライン教育におけるデジタルアーカイブの役割

【コーディネータ】
井上 透(岐阜女子大学),皆川雅章(札幌学院大学)

【要旨】
 2020年にCOVID-19の影響で,教育現場ではさまざまな実体験や実物へのアクセスが制限されるとともに,感染対策の一環として図らずも教育のオンライン化が幅広い分野において促進された。予測されなかった事態への対応としての急速なオンライン化に伴う問題点も種々存在するが,この状況を受身的に捉えるのではなく,ICT利活用インフラの整備が進みつつある中で,オンライン教育の特長を生かした教育方法の改善,教育効果の追求を積極的に展開する方策の検討をする機会ととらえたい。
 その一環として,情報へのアクセスに関して時間・空間の制約のないデジタルアーカイブの特性を生かし,これまでに蓄積されたデジタル資源のさらなる利活用が促進されるべきであると考える。今回の研究会を,MLA,教育機関,企業などからの,さまざまな分野における実践的,理論的な取り組みに関する報告と議論の場としたい。

 ■著作権等研究会

テーマ: 個別最適化されたオンライン教育の技術と制度

【コーディネータ】
坂井知志(ひとまちねっとわーく),塩 雅之(常磐大学)

【要旨】
 新型コロナウイルス感染症拡大により,学校教育に導入されたオンライン教育が,様々なレベルで展開されている。導入にあたって学生や教員の情報環境調査を行い,その対応策を立案して実施する機関も見受けられた。それでもシステムがダウンするなどの問題点が起きている。その対応策を明確にし,改善し,公表することにより他の取り組みを支援する機関と未公表の機関が存在している。
 また,テキストベースから学習管理サイトの活用,グループワークの導入,対面授業との併用など一人一人の学習者の状況を視野に入れて取り組むことの困難さやその取り組みが著作権などの権利問題との関係があり実施を断念することなどオンライン授業の技術の両面について考える研究会とする。

 ■ICT活用研究会

テーマ: GIGAスクールを支えるICTの活用

【コーディネータ】
河野敏行(岡山理科大学),坂井岳志(八幡小学校)

【要旨】
 「GIGAスクール」によって1人1台端末の導入と学校内での高速通信ネットワークの実現などハード面の整備が進んでいる中,それらの環境を活かし,多様な子供たちに対応した,公正に個別最適化された学びや創造性を育む教育を目指している.その中で,ICTをより効果的に活用して,教育に活かせられるのかについて,情報を共有し,教育方法について議論・開発を進める。
 1.小学校から大学そして社会人などに向けた教育サポートシステムおよび教材の開発
 2.1人1台時代の学習を支える学校や授業の在り方についての研究
 3.ICTの活用促進のための具体的な学習環境や教材の開発
 4.プログラミング思考力,創造的能力,AIリテラシーを養う教育や授業の開発
 5.時間と空間を超えた遠隔講義システムを利用した教育の開発および活用
 2020年は,遠隔講義が広く実施されたが,場所にとらわれないリアルタイム講義やVODコンテンツによる時間に縛られない学習など様々に工夫された講義が実施され,その実施内容などを共有しつつ,ICTを活用したより効果的な学習について議論する。

 ■特別支援教育AT研究会

テーマ: 合理的配慮とアシスティブ・テクノロジー

【コーディネータ】
小川修史(兵庫教育大学),新谷洋介(金沢星稜大学)

【要旨】
 新学習指導要領を受けて「教育の情報化に関する手引-追補版-(令和2年6月)」が公表された。また,GIGAスクール構想の元に,1人1台の情報端末の整備もおこなわれている。しかし,それらの情報機器を障害のある児童生徒が学習に使いこなすためには,十分な配慮と環境の整備が必要となる。
 現在,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(平成 25 年法律第 65 号)の見直しも検討される中,具体的な「基礎的環境整備と個別の合理的配慮」は緊急の課題といえる。
 この「基礎的環境整備と個別の合理的配慮」には障害に応じた ICT 機器等の活用(アシスティブ・テクノロジー)が重要で,その活用のさらなる発展・普及が期待される。また,障害のある児童生徒の学びを広げるためにはSDGsの実現やプログラミング学習における活用なども検討課題となる。

 ■IR研究会

 テーマ:学習の個別最適化のための教学IRとDX

【コーディネータ】
森 雅生(東京工業大学),石井雅章(神田外語大学)

【要旨】
 インスチテューショナル・リサーチ(IR)は,大学経営及び教学運営における様々な意思決定を関連データの分析を通じて支援する取り組みであるが,IRが有するデータや知見は個々の学習者の学習の質を高めるためにも有効な資源と言える。また,BYODをはじめとして学習者がデジタル・デバイスを日々の学習において日常的に利用するようになった現在,データを有効に活用した学習支援の重要性が増している。
 本課題研究では,教学IRと学習の個別最適化の接点を視野に入れながら,IRデータを効果的に活用した授業支援及び学習支援の取り組み実践を幅広く検討し,知見を共有するとともに,データ収集や集約・保管の手法やデータのアクセス権等に関するあり方などについて議論をおこなう。

 ■プログラミング教育研究会

テーマ:  GIGAスクール環境下におけるプログラミング教育の在り方

【コーディネータ】
山本利一(埼玉大学) , 小熊良一(群馬大学)

【要旨】
 プログラミング教育研究会では,各種発達段階におけるプログラミング教育の実践事例を収集すると共に,その効果を幅広く発信したいと考えている。令和3年度は,GIGAスクール構想によりICT環境が整いつつある教室で,「どの様な教育実践が可能か」,「どの様に学習効果を上げるか」など,多くの先生方にご提案いただきたい。
  教育のグローバル化や,扱う情報が飛躍的に増加している予測困難な時代を児童・生徒が生き抜くためのプログラミング教育について,協議を深めていくことができればと考えている。

 ■教職開発研究会

テーマ: 創造性を育む教育を実現するための授業技術,教材開発

【コーディネータ】
佐藤典子(甲子園大学),治京玉記(大阪夕陽丘学園短期大学)

【要旨】
 近年,ICTの活用が急速に普及しているが,一人ひとりに適した活用の方法を探り,多様な子供達たちに対応したオーダ―メイド教育を行う事が必要である。個別最適化を図るためには,まず,教員がICTの活用について理解を深め,それらを活用するための技術を習得する事が望まれる。
 本研究会では,教員養成における教育課程,方法・技術,評価,および現職教育に関する教授学習モデルや実践的な研究について取り扱う。創造性を育む教育を実現するためには,それらのスキルを持つ教員が必要とされる。授業技術を習得あるいは向上させるための授業研究の方法を模索し,教員研修に反映させる事も考えられる。そして,PDCAサイクルにより,更なる向上に努め,その成果を教育の場に還元する事が必要である。
 教員養成,カリキュラムの検討は様々な分野で検討する事が必要であるため,授業技術,教材開発,評価について,幅広い分野,校種での各位の教育実践を紹介いただき,様々な視点から討議を深めたい。

 ■遠隔教育研究会

テーマ: 個別最適化され,創造性を育む遠隔教育の可能性

【コーディネータ】
横山隆光(岐阜女子大学),熊﨑康文(岐阜女子大学)

【趣旨】
 サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより,経済発展と社会的課題の解決を両立する,人間中心の社会(Society)を目指し,GIGAスクール構想に着手した矢先,新型コロナウイルス感染症対策による休業等の対応で,ICTの格差が顕在化した。同時に,ICTの強みの一つとして,距離に関わりなく相互に情報の発信・受信のやりとりができる(双方向性を有する)遠隔教育は,一層,推進されることとなった。
 文化庁は授業目的公衆送信補償金の額を認可し,遠隔授業で教科書などの著作物を利用する際,2021年度以降は有償(年額:小学校が120円,大学が720円など)で利用できるように法整備が進んだ。
 日常の学びでも非日常の学びでもICTを活用した遠隔教育が活用できる場面は多く,新型コロナウイルス感染症対策をきっかけに学びを進めることがafterコロナの教育に求められており,個別最適化され,創造性を育む遠隔教育の可能性について考える。