ご挨拶

 

 近年、教育DXの推進が加速している。例えば、「令和の日本型学校教育」(「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」中央教育審議会答申、2021.1)では、すべての子どもたちの可能性を引き出すための「個別最適化の学び」と「協働的な学び」が教育DXを通して実現されると述べている。また文部科学省やデジタル庁は、教育のデジタル化のミッションとして、「誰もが、いつでもどこからでも、誰とでも、自分らしく学べる社会」を掲げ、教育データの範囲、品質、組み合わせといった3点の軸の拡大・充実によって教育の質を向上させることを目指し、具体的なロードマップ作成に着手している(「教育データ利活用ロードマップの検討状況について」2021.10)。人類が経験した未曽有の危機である新型コロナウイルス感染症拡大の経験を背景に、デジタルツール活用の浸透に留まらず、フィジカル空間とサイバー空間とが高度に融合した社会(Society5.0)を見据え、教育や学習のパラダイムシフトが急速に進み、教育情報(学)の使命と重要性も高まっている。

 一方、日本教育情報学会は2022年度より林德治先生から安達一寿先生へ会長のバトンが引き継がれる。「理論と実践との架け橋」を推進した林先生の理念を継承すると同時に、「豊かな教育情報の流通」を目指す日本教育情報学会は、コロナ禍の経験を乗り越えることに留まらず、教育のデジタル化と変革のさらなる加速を射程に入れ、これからの教育情報学の使命と展望を描くことが求められている。

 そこで、こうした教育情報学の転換期に2年ぶりに対面 ※ (予定)で開催される2022年度の日本教育情報学会第38回年会のテーマを「教育情報学の地平を拓く ─教育DXの推進に向けて─」と設定した。コロナ禍を乗り越えた足元の変革を基盤としながらも、近未来の教育像をも見据えつつ、教育DXのさらなる推進に向けて、「誰もが、いつでもどこからでも、誰とでも、自分らしく学べる社会」を実現する、これからの「豊かな教育情報」を考えていく。

第38回年会実行委員長 石川敬史(十文字学園女子大学)

  ※開催方式を「対面(十文字学園女子大学)+オンライン(Zoom)」のハイフレックス方式での開催に変更いたします。